駒込〜滝野川〜王子散歩(後編)

無量寺を出て本郷通りを王子方面に歩くと、今度は道の右側に公園が見えてきます。ここだけ奥行きのある緑地になっており、周囲の風景と比べると明らかに不自然(画像の黄色で囲んだあたり)。

川の跡かと思い調べると、明治時代には農事試験場でした。

公園の管理事務所の横にはこんな碑が

昭和55年までここに農事試験場があったようです。

そして、道の反対側、農事試験場の官舎があったところは、今ではURのマンション(昔の公団住宅)と民間のマンション。

何となく納得の跡地利用です。

さらに、明治の地図では、農事試験場の横に「実業講習所」というところがあります。これは、昔の商業高校みたいなもの、らしい。この跡地は現在、独立行政法人国立印刷局滝野川工場と国立印刷局東京病院です。

紙幣、印紙、切手などを印刷しているそうです。王子製紙発祥の地に近いからここに工場を作ったんでしょうか。できたのは昭和6年だとか。

さらに歩くと、今度は江戸時代の一里塚が残っていました。

本郷通りは、将軍が日光東照宮に参詣するときの通り道、「日光御成道」でしたから、街道の整備も進んでいたんでしょう。裏手の診療所が「一里塚クリニック」なのが地味に可愛い。

そのすぐ先に大きな鳥居がありました。

参道を進んでみると、七社神社というものがありました。

もともとは先ほどの無量寺と同じ場所にあったらしいのですが、明治の神仏分離令を受けて現在の場所に引っ越したそうです。元からこの場所にあった神社は七社神社の末社になってしまったとか・・・。軒を貸して母屋を取られる、みたいな・・・。

元からあった神社のご神木、樹齢千年を超えると言われた杉。明治に枯れてしまい、切り株が今でも残っています。

歩いて30分もかからない範囲にこれだけ面白いスポットがあるとは。何もなさそうなところでも、歩き回ってみるといろいろとあるもんです。

寄り道が多かったので、やっと飛鳥山へ。渋沢栄一の邸宅があったところです。

建物がいくつか残っており、資料館になっています。

江戸時代からの桜の名所

もう花は散っています。八重桜はまだ咲いていました。

今は公園になっていて、子供がたくさん。

普段、お年寄りの多い町に住んでいるので、子供が集団で遊んでいるところに出くわすと新鮮ですね。こういう光景を見ると、少子高齢化なんて誰が言ってるんだろうと思いますが、事実なんですよね。

多目的広場もあり、29日はフリーマーケットが行われていました。

距離にしてわずか数キロ、まっすぐ歩けば20〜30分のエリアで半日楽しむことができました。探せばいろいろ見つかるもんです。

連休後半は巣鴨・染井に行ってみましょうか。というかマレーシアいつ行こう。仕事の繁忙期がまだ読めん。