読書記録

日本国債がデフォルトして円が暴落したらどうなるのかと思い借りました。

ハイパーインフレの悪夢

ハイパーインフレの悪夢

第一世界大戦後のドイツで起こったハイパーインフレの記録です。原題は、"When Money Dies"。

これは恐ろしい。下手なホラーより怖い。

インフレとは、お金の価値が下がる(額面上は、物の値段が上がる)ことなので、それに合わせて収入も(額面上)上がれば差し引きチャラで生活に影響は出ないはずですが、実際には収入は物の値段ほどすぐに上下しません。だから生活苦に。

しかも、国内で経済が完結しているなら通貨の価値が下がっても関係ありませんが、実際は国外から物を買ったりしなければなりません。そういうときに通貨が紙くず同然になっているともうどうしようもありません。

このときのドイツでは、食料を自給自足できてモノ(土地や作物)を持っている農民の立場が一気に強くなり、給与所得者はひどい目に遭っています。強力な組合が賃上げ交渉をできたブルーカラーはまだましでしたが、いわゆるホワイトカラーのサラリーマンは極貧にあえいでいます。

戦後すぐの日本で、都会の人が着物を持って農村に食料をもらいに行ったり、闇米を拒否して餓死した裁判官が出たのと同じですね。

最近気になるのは、一部の金融関係者だけでささやかれていたデフォルト論が、一般レベルにまで下りてきたこと。先日は日経新聞までが、金もらって提灯記事書いてるんじゃないかと思うような内容のインタビューを載せていました。

何か嫌な予感がしますね。