ブエノスアイレス旅行記(その2)
さて、翌日は一日自由時間なので、本格的に街を歩きます。
個人的には、観光地にはあまり関心がなく、その土地の人々がどんな暮らしをしているのかに関心があるので、街歩きが好きです。
市の中心、五月広場(独立戦争が五月に始まった)の付近。
さすがにこの辺りは綺麗です。
五月広場から陸側を望みます。
うむ、なかなか美しい。
反対側にある大統領官邸、赤色なので "Casa Rosada(カサ・ロサーダ)" と呼ばれています。直訳すると、バラ色の家。
逆光でよく見えませんな。ちなみにアメリカ合衆国のホワイトハウスのことはスペイン語で "Casa Blanca(カサ・ブランカ)" と言います。映画のタイトルで有名なモロッコのカサブランカもポルトガル語で「白い家」という意味。スペイン語とポルトガル語は日本語と関西弁くらいしか違いません。
スペイン語は英語と違って形容詞が名詞の後ろからかかるので、"casa" が "house" で "blanca" が "white" です。このように、欧米圏の言葉はほとんど直訳できます。楽でいいですねえ。
例えば、"I want to go to the station." だったら、"Quiero ir a la estación." です。"quiero" は "want" の一人称単数現在形、"ir" は "to go"、"a" は "to"、"la" は "the"、"estación" は "station"です。
動詞の原型は英語の不定詞なので、"ir" だけなら "to go" なのです。主語は、動詞の活用形で分かるので、だいたい省略されます。"quiero" だったら主語は「私」だなと分かるのです。
リッキー・マーティン(古い)の歌い出し "La vida es pura pasión." は、"The life is pure passion." なわけです。ほんと楽でいいですよねえ。
どうでもいいですが、郷ひろみのあれはリッキー・マーティンのカバーです。
さて、五月広場から伸びる五月通りを歩いてみます。
これは綺麗です。さすが南米のパリ。オープンカフェもたくさんあります。
ひととおり歩いた後、昼食をとろうとオープンカフェを見ますが、昼なのに皆ステーキにポテトとか・・・。とても食えないので売店でサンドイッチを買ってホテルで食べます。
次は、街で一番の商店街というか、店が並ぶフロリダ通り。観光客も一番多いところです。
ここも綺麗ですが、300万人の都市の目抜き通りにしては閑散としています。店もそんなに繁盛してなかったし。
そして、5mおきくらいに両替屋が立っていて、"Cambio. Cambio. Casa de Cambio." と叫んでいます。"cambio" は英語の "change" で、両替や小銭、お釣りという意味です。「ドルもユーロも」なんて叫んでます。
これ、市民が外貨ほしさにやってると聞きました。ペソだと持ってるだけで価値が下がる上に、いつまた紙くずになるか分からないので、ドルやユーロにしたいのだとか。だいたいの店で米ドルとユーロが使えます。むしろ歓迎されます。ただしお釣りはペソで返ってきます・・・。
夜は肉料理(パリージャ)を食べにラ・エスタンシアというレストランに行ってきました。
途中、路上パフォーマンスでタンゴを踊っていました。へえ〜。
肉です・・・。これで3人分。
たぶん牛のいろんなところと鳥と豚を食べたのですが、何がなにやら分かりません。四人がかりで限界ぎりぎりでした。
基本的にここの食事は肉とチーズとワイン。すごいね・・・。
帰り道、22時ごろの通り。
夜は遅いです。夕食は20時ごろから、タンゴショーも21時開始で0時ごろ終わりました。交通機関は24時間営業です。
途中、女装した男と男性がタンゴを踊る芸をやっていて黒山の人だかり。大ウケだったので "¡Qué bonita!(なんて可愛いんだ!)" と叫んであげたら、ガンナムスタイルを踊りだしたので、"¡Soy japonés!(日本人だよ!)" と言ったら、「ハーポン!ハーポン!」と言いながら頭を下げてました。お辞儀の真似でしょうか。みんな大爆笑です。
ラテンのノリ、面白すぎる。
街角にはこういう売店がたくさんあり、お菓子や軽食を売っています。
22時過ぎなのに子連れでくっちゃべってます。中国でもアメリカ合衆国でもそうでしたが、町中でよくしゃべりますね。日本では見ない光景です。
オープンカフェの横でサックスを吹く人。曲はビリー・ジョエルの "Just the way you are" でした。ジョン・レノンの "Imagine" をギター弾き語りする人もいて(一緒に歌った)、音楽は共通なのかと思った次第です。ビートルズはアルゼンチンでも人気っぽい。
先ほども言ったように夜は遅く、3時くらいまで町中から音楽や話し声が聞こえてきました。
長い二日目もようやく終了。
ブエノスアイレス旅行記(その1)
去る9月4日から10日までアルゼンチンのブエノスアイレスに旅行しておりました。
ちょっとだけ職場がらみですが、大半は自由時間という、仕事なのか私的なのか判然としない旅行でしたが、とりあえず仕事っぽいほうは置いといて旅としての記録をば。
日本からはデルタ航空でアトランタ経由です。成田から12時間くらいかけてアトランタ、半日乗り換え待ちをしてから10時間のフライトでブエノスアイレスです。
やっとたどり着いたホテルからの一枚がこれ。
いちおう、南米のパリと呼ばれているらしいですが、そんなに美しいかというとそうでもない。どちらかというと薄汚れているような。
ホテルの近辺とかこんな感じなんですよね。
歩道も路面もガタガタだし、ゴミも散乱してたり。夜になるとかなり怖い。元々治安はいいらしいのですが、国が財政破綻してからは犯罪も増えてきたとかで、正直あまり空気はよくありません。建物は確かに古くてヨーロッパの風情があるんですが。
食事はとにかく肉です。大草原のある国なので、肉はたくさん取れる。
初日の夕食。まずはエンパナーダという揚げ餃子みたいな食べ物。
具は肉だったり野菜だったりいろいろのようです。
あとは、肉!
暑さ3cmはあるでしょうか・・・。それにポテトです。ここの食事は基本こんな感じ。
デザートも大量です。
アイスは日本の二人分もあるでしょうか。そしてケーキは濃厚な味。でもこれは美味かった。
それから、炭酸飲料がメジャーです。食事にコーラを飲みますし、水を頼むと炭酸かどうか聞かれます。
"con gas"とあるのが炭酸、"sin gas"とあるのが普通の水です。"con"は英語の"with"、"sin"は英語の"without"です。
さて、食事の後はタンゴのライブハウスのようなところへ。地元では「タンゲリア」というらしいです。
元は病院だったところだとか。重要文化財クラスの有名どころだそうです。中はこんな感じ。
大きさは新宿の末広亭くらいでしょうか(わかりにくい)。若手のお兄さんお姉さんたちも素敵でしたが、途中から出てきたベテランのおっちゃんがものすごいテクニックで圧倒されました。あと、客席を乗せるのが上手い。
帰り道、ビルの壁面にエビータのライトアップ。
田舎から出てきてラジオの女子アナになり、大統領夫人になって貧困層に手厚い政策で庶民に大人気だった人です。享年33才。今でも大人気。
まあ、彼女やその夫に代表される歴代の政府が人気取りに走らずにちゃんと市場経済を育ててれば、財政破綻もせずにすんだのですが。
アルゼンチンは1910年代までは世界トップクラスの富裕国でしたが、その後凋落の一途をたどり、軍事政権による暗い時代を経て2001年にデフォルトを起こして財政破綻します。
なんか、街も活気がないんですよね。確かに都会だし人もいいんですが、どうも明るさがない。ちょっと殺伐としてます。
地球の裏側は大変そうだなあと思いながらブエノスアイレス第一夜終了。
本来の目的に
先だってあんなことを書いたばかりですが、要はブログだと思うから面倒なのであって、これは元々日記なのでそのレベルで書いとけば問題なし。
ダイエットでも実感したことですが、まめに記録すると物事は進むので、まあそんな役割にでもするかと。
とりあえず今週末のタスクとしては、観葉植物を買ってきたことと、職場の課題を一つ片付けたことが済。
これからは大量の本を廃棄と電子化していきましょう。ブックスキャンに少しずつ送るか。なるべくものを減らしていこう。
今日はこの後サイトづくりと文章を一本書くかな。
ブログをよく書く人
猛烈に暑いですね。夜中でも気温32度で、最高気温が38度とか信じられません。夕方になってもまだ35度ですし、明日は最高気温が35度だから涼しいなとか思ってるのも信じられません。
火曜以降は少しはましになるのか。
このところ日記の数が激減していますが、たぶんちょっと前のようにいろいろな不平不満がなくなったからだと思います。
よく日記を書く人は、何かに怒っているか、前に突き進んでいてそれをどんどん情報提供しているか、のどちらかのような気がしています。最近は。
一年前くらいにいろいろな方と知り合う機会があり、それ以降、自己責任で着々と物事を進めれば世の中に機会はたくさんあると視点が変わりました。それまではかなり見苦しい人物だったことでしょう。
毎日ちょっとでもやることをやって進むのが吉、と思ってからあまり日記を書かなくなりました。
いろいろ好循環してくれば、ポジティブなほうでまた更新頻度が上がってくるでしょう。
帰省
25日から帰省しています。
何となく休みたくなったので夏休をとり翌朝新幹線に。
たまたま気の合う仲間が関西にいたので、楽しく過ごせました。
まあ後は勉強したりサイト作ったり。
本も読んだり。
このところ商売系の本ばかり読んでいるので、実家の人文社会系の蔵書を見ると昔懐かしくなります。最近は数字と事実を組み立てて書かれたものしかあまり読めない。それか純粋に楽しむための小説か。
今回面白かったのはこれ。
真珠湾収容所の捕虜たち:情報将校の見た日本軍と敗戦日本 (ちくま学芸文庫)
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この人、うちの親父の学生時代の寮長だったらしい。日本で生まれ育って太平洋戦争時に海軍で捕虜の応対をしていた人です。
関西はほどよく都会でほどよく田舎で心地よいところです。
いま仕掛けているものが上手く行けば遠くないうちに戻れそうですが、さてどうなるか。
文春文庫の海外ノンフィクションものが面白い
昨日、久々に目的の本が決まっていない状態でリアル書店に行きました。
最近はアマゾンで買うか、最初から買う物が決まっている状態で売り場に直行するので、ぶらぶらしたのは本当に久しぶりです。
ざ〜っと見ていたら、文春文庫の海外ものが面白いことになっていました。昔はミステリーかエンタメ小説しかなかったのに、海外ノンフィクションもの、それも科学ものが増えている。しかもやたら面白そう。
これとか
- 作者: イアンエアーズ,Ian Ayres,山形浩生
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これとか
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こんなのとか
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これも
絶滅も進化も酸素濃度が決めた 恐竜はなぜ鳥に進化したのか (文春文庫)
- 作者: ピーター・D.ウォード,Peter D. Ward,垂水雄二
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きっと海外ノンフィクションに強い編集者がいるに違いない。久々に実用書じゃない楽しみの読書をしていて充実の連休です。
あ、あと私の一押しはこれ
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デイビッド・ハルバースタムの遺作。今の朝鮮半島情勢につながる朝鮮戦争の様子がよく分かります。ハルバースタムはほんと面白いですよ。
人と違うことをするといいことがある(マイナー競技について)
今日は「アルティメット」というスポーツのイベントに行ってきました。
フリスビーでやるアメフトのような競技です。といってもアメフト自体が日本でマイナーなので説明を要しますが。ルールなどはこのあたりの動画で。
従妹がやっているので知っていましたが、見るのは初めて。日本アルティメット協会によると、7月7日はアルティメットの日だそうです。
会場は味の素スタジアム、ではなくてその横のアミノバイタルフィールドでした。
屋根がほとんどない・・・。軽く卒倒するレベルの暑さです。かろうじて日陰になっているところに座りましたが、それでも脱水症状になりそう。しかも後から日大のアルティメット部の方々が集団でやってきたので居心地悪いったら。
12時から日本代表とU-23日本代表のエキシビションマッチが行われました。実はどちらも世界で金メダルが狙えるレベルらしく、地味に世界最高峰の試合だったのですが、観客はたぶん100名くらい。入場料はタダでした。
日本ではマイナーなスポーツを見に行くとけっこう楽しいことがあります。東京に住む数少ない利点かもしれません。地方だとそうはないので。
2009年のラグビージュニア世界選手権(U-20)のときも、決勝と三位決定戦の秩父宮ラグビー場はガラガラでした。ニュージーランドvsイングランド、南アvsオーストラリアの超レベル高い試合をタダ同然で見られました。オールブラックスのカマテも生で見ましたよ。
観客だけではありません。
隣で日大のアルティメット部がいろいろしゃべっていたので情報収集できましたが、だいたいの選手は大学から競技を始めたようです。で、日本代表になっちゃったり、卒業したらアメリカに行く人もいるとか。例によってアメリカはどんなマイナー競技でも市場がある・・・。
これが仮に野球のようなメジャー競技だったら、県大会で優勝するだけで超大変。世界に出るとか万に一つもないでしょう。
社会でも同じことで、日本の大企業で抜きん出て留学させてもらおうとか思ったら、まず入る前から就活戦争だし、入ってからも会社色に染まって年功序列の階段を滅私奉公して上らないといけません。レッドオーシャンです。
これが若くてまだ小さい会社だったりすると、やりようによってはどうにでもなる。
ぶっちゃけ日本の会社名なんて海の向こうではそんなに詳細に知られてないので、MBAの願書がパナソニックの平社員とどっかのベンチャーのマネージャーから届いたら、後者のほうが通る確率はきっと高いでしょう。
もちろんフリーランチはないので、チャンスはリスクとバーターですが、デカくてメジャーだから安泰かというとそうでもない昨今なので、それなら自分の才覚で世の中渡っていく裁量の大きい方が後々役立つような気がします。